酒井和彦の森の学校 2020春

シリーズ「美しい森をたずねて」

「美しい森をたずねて」シリーズを4回にわたってお届けします。

植栽・下草刈り・間伐や子供たちに説明する時なども、この木はあと300年経ったらどんな木になるだろうと皆さん心に「巨木の森」を尋ねて活動してます。

私の訪ねたいろんな森が何か心の琴線に触れることがあれば幸いです。

第1回:奥会津松坂峠のブナの森
第2回:憧れの日高山脈・知床
第3回:アメリカインディアンの森
第4回:ドイツ酸性雨の黒い森

第1回:奥会津松坂峠のブナの森

私の生まれた福島県横田村はこの地図の左側で、2里(8km)ほど歩いて松坂峠を越えて只見町布沢にある母の実家に、水飴を舐めたくて通いました。地図を見てください。黄色い線が道路ですが未だこんなにグニャグニャした道路が残っていることが私でも驚きです。ホタルも澄川と違って田んぼのタニシが餌でわんさかいましたが、2点が光っていればそれはマムシと教えられました。
一軒に4石(1立方米ほど) 薪炭材の立木処分を受けて、祖父と伐採・玉切りし2月に雪道をバチ橇で運びました。その頃松坂峠の木々はもっともっと太かった記憶です。橅より楢が火持ち良く好まれました。同じ屋根の下に住む馬は馬搬には使われずに、もっぱら代掻きなど農耕用でした。戦時の松根油堀りも人力でした。ブナはだいたい尾根の上がニッチで実は三角の蕎麦実で転がらないのが生き残る戦略で今に残ったといわれます。「尾根は切るな」の言い伝えも役立って、今や環境保全のシンボルになってます。
10年ほど前に新潟に楢枯れ病が来た話を前地さんから聞きましたがついに福島県にも来たそうで、温暖化につれて北海道には来ないことを祈ります。

今や旧横田村は会津山地緑の回廊に指定され、保安林になったそうです。また只見町はその9割が山林で、ユネスコエコパークに登録され、人と自然が共生する町を目指し、白神山地よりも広大なブナ林を始めとする自然を保護しています。

この写真は借り物ですが、自分かと思いました。
自作の箱メガネに返し付きのヤス。狙いはハエ(ハヤ)ボヤ? カジカ? 子供にイワナは無理です。

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