2024年4月
春の出だしの森は 透明感に溢れている
残雪は 溢れる日差しを浴びて キラキラと輝き 木々の根を溶かす
ここには それ以外の何もない
リスやキツネやシカの姿、野鳥の囀りは 今はない
それでも
見えないが 森全体から生命の息吹が迸る
ホオノキのふっくらした芽に ハンノキの垂れ下がった雄花
沢地には フキノトウが 僅かひとつだが顔を出した
森は 理屈っぽく汚れた人間の 拙い思惑を嘲笑うが如く
超然として 自然の中で己を生きている
こりゃ人間の負けだ 拙く身勝手な振る舞いは 余りに惨めだ
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