酒井和彦の森の学校 2020夏
シリーズ「美しい森をたずねて」
「美しい森をたずねて」シリーズを4回にわたってお届けします。
植栽・下草刈り・間伐や子供たちに説明する時なども、この木はあと300年経ったらどんな木になるだろうと皆さん心に「巨木の森」を尋ねて活動してます。
私の訪ねたいろんな森が何か心の琴線に触れることがあれば幸いです。
第1回:奥会津松坂峠のブナの森
第2回:憧れの日高山脈・知床
第3回:アメリカインディアンの森
第4回:ドイツ酸性雨の黒い森
第2回:憧れの日高山脈・知床
65年まえ、奥会津から新品の桐下駄を履き柳行李を背負って人口42万人の大都市札幌に来て、毎日毎日植物園に通いました。
当時は檻の中にヒグマが2頭いて、毎日見ても飽きませんでした。
また樹木では威風堂々としたハルニレに圧倒されました。
日高山脈、知床半島など一年に200日も山を歩いた年もありましたが、憧れの北海道は今も変わりません。
森ボラの皆さんと同じく、定年後は18年間毎年100日ほど森にいました。
2018年9月森ボラの知床に行きに参加して、60年ぶりにクマにも出会ったりし感動しました。
木下弥三吉先輩の建てた木下小屋が健在であること、百平米運動や国有林伐採問題について矢澤さんや小笠原さんや現地の人たちの話を聞き心情に触れ、知床財団の高木植栽による食害対策なども見学できて心が安らぎました。
知床の帰り道十勝平野から見える日高は、もうどれが幌尻岳かペテガリかわからないほど遠い昔の事となってしまいました。
1839m峰はあの向こう側かと空想しました。
十勝側に下りて来てお世話になった野塚の坂本直行さん、渡邊定元さん、上札内小学校の男沢先生など、かすかに人の記憶だけがよみがえりました。